コロナ時代を上手に過ごす方法(続き)

今年は桜の開花が早いですね。本日休診日で仕事は午後からなので県の運動公園を散歩してきました。5分咲きという感じでしょうか。平日であるのにたくさんの方が散歩やジョギングをされておりました。

さてブログの初回に中途半端な内容を書いてしまったのでその続きを書きたいと思います。コロナ時代の過ごし方についてです。すでに1年以上にわたってコロナのストレスが継続しており、何をいまさらという感じもありますが、健康の基本に通じることなので進めてみます。項目は以下の4つです。

1:なるべく朝一定した時刻に起きる

2:体を動かすように心がける

3:テレビなどのメディアに接する時間を制限する

4:何かやれることはないかと考え続ける

以下順番に説明をしていきます。

1:メンタルヘルス、つまりこころの健康の基礎は体の調子を整えておくことです。その中でも食事や睡眠はとても大事です。今回、睡眠を十分にとるということはみなさんお分かりでありますので、なじみのうすい生活リズムの話をします。

人間にはいろんな種類のリズムがあります。季節の変動という年単位のものから月単位、また10年単位のリズムなど様々です。その中に1日のリズムがあります。朝起きて日中に活動をして夜になると眠くなるというパターンです。たとえば体温は朝の4時ころに最低になり、その後上昇してきて6-7時ころの朝の目覚めにつながります。起床すると体温は上がっていき、夜の8-9時ころに最高になってそこから低下してきます。下がってきたところで眠気が出てくるのです。起きたから体温が上がる、寝てから体温が下がるのではないのです。起床や就寝の前に体温は変化して準備をしていることになります。起床して16時間後に眠気が出てくると言われます。その体温リズムの出発点は朝の起床・離床時刻になります。ですから、朝布団から出る時刻を一定にすることが安定した睡眠、安定した体調につながるのです。

人間は前の日に6時に起床した場合、翌日無理をしないで寝ていると7時に目が覚めるというように起床時刻は遅れていく性質を持っています。ですから休日に朝寝をすることは簡単なのです。しかし翌日に前日よりも早く起床することは無理をしないとできません。その結果月曜日の朝はとてもつらくブルーな気分になりがちです。毎日同じ時刻に起きているとそのつらさから解放されるのです。確かに休日の朝に遅くまで布団に入っていることは楽しみでもあります。医療的には1時間までが限度です。それ以上になると月曜日の辛さが増すのです。

また朝起きたら朝食を摂ってください。立派な食事でなくても良いのです。バナナ一本、牛乳一杯でもお腹に入れることで、内臓に対して「朝ですよ」という合図を送ることになります。脳のリズムと内臓のリズムを同調させることになります。まずは朝一定の時刻に起きて、何かをお腹に入れることを心がけることがストレスに対する抵抗力を強めます。安定したリズムの生活をすることで、慢性の頭痛や動悸、イライラや気分の落ち込みなどが改善することも多いのです。

 

2:体を動かすことはメンタルヘルスに良いことも知られています。軽いうつ状態は散歩で改善すると言われています。歩くのが良いと言われても膝が痛くてという方もおられます。そういう場合には自転車、室内ではエアロバイクが良いです。膝や腰への負担が軽く運動の効果は十分にあります。コロナ以来、散歩する方や走っている方が増えました。皆さん自分にできることを心がけておられます。実は台所での炊事も運動になります。立っているだけで軽い運動なのです。もちろん歩いて買い物にいくのも運動になりますので、日常生活の中で無理なくできる範囲で心掛けることが大事です。

3:テレビを見る時間を制限することも良いのです。東日本大震災の時に、子供に津波の映像を見せないようにしましょうと指摘されました。大人は再放送だと分かってもお子さんは「また恐ろしい津波が来た」と純粋に受け止めてしまい、心が傷付いてしまったのです。しかしこれは大人も共通するのです。

コロナ関連のニュースは心地よいものでありませんので、報道を見るとやはり心が傷つき弱るのです。それを繰り返し見ることで気持ちが落ち込んだり不安が強くなってしまいます。コロナが始まってから、これまで来なかったような方が受診されるようになりました。女性が多いです。これといったトラブルや明らかな困りごとがないのになんとなく気持ちが落ち込んで落ち着かない、元気が出ないという訴えです。私はあれ?と感じました。会社でいては異動があった、上司が苦手な人にかわったなどの変化の後に体調不良が出てくるのですがそれが見当たりません。よくお話を伺ってみると、受診された方のほとんどが朝からずっとテレビをつけてコロナの番組を流しておられました。そこで朝7時と夜7時のニュース以外は見ないようにとお伝えし、テレビがないと寂しい方にはドラマなどコロナ以外の番組を見てくださいとお勧めしました。何人かはお薬を使わないで改善されました。それくらいテレビやメディアは影響力があるのです。贔屓のチームが勝った試合の放送は何度でも見るけれども負けた時にああまり見ないという行動はある意味理にかなっているのです。良い内容だったら何度でも良いのです。最近はワクチンという希望が見えてきましたが、それまでは希望のない報道が続きました。ですから心が傷ついてしまったわけです。なるべくニュースは時間を決めて制限されたほうがよろしいのです。

4:自分にできることを探す努力を続けることは、コロナに限らずに大事なことです。マスク不足の時に手作りのマスクがずいぶんたくさん作られました。患者さんやそのご家族でもたくさん作っておられる方がおられました。その時に印象的だったのは、作っている方の表情がとても生き生きしていたことです。不足しているなら作ってやろう、みんなが喜ぶのではないか、役に立ちたい、というような気持ちそのものが心の活性化になったのですね。ひとつの希望です。運動でも、膝が悪いから・・腰の調子が・・・というときに、だったら何ができるかなと考えてみる。そのことが次につながります。

私たち医療系の勉強会はめっきり減りました、と思いきや実は数はどんどん増えています。そうですネットでの勉強会が増えているのです。いろんな方が今の状況でできることを考えて工夫をしておられます。みなさん自分にできることがあると元気になるのです。なかなか簡単に見つからないものの、いつも考えていくことは大事なことだと思っています。

以上、少しでも皆様のご参考になれば幸いです。

 

 

東谷心療内科
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