今年はコロナの影響でいつもと違った状況になっておりますが、皆さんにとっては春はとても良い季節というイメージが強いと思います。雪のない地方から赴任した方から、山形に来て初めて「春のよろこび」を知ったと言われました。苦労した冬の後に来る春は希望に満ちているように見えます。その一方で、メンタルクリニックが1年の中で一番忙しい時期が春なのです。実は体調を崩しやすい時期でもあるのです。

季節の変わり目で自律神経が不安定になっており、同時に気分も不安定になり不安を感じる方が増加します。それに加えて進学、就職、人事異動、転居などの社会生活上の変化が加わってさらに体調は変化しやすくなります。これらが合わさって体調不良を引き起こします。春は不安が強いです。秋は気分が落ち込みやすくなります。それ以外でも6月、つまり梅雨の時期に体調を崩しやすい方もおられます。

あまり良い話題でないと思われるかもしれません。お伝えしたいことは、春に体調や気分が悪くなってもそんなに心配することはありませんよ、ということなのです。つい春だから何でも上向きになって良いはずだと思い込んでしまい、ほかの人は元気なのに自分はいろんなことが心配になってしまうと考えがちです。そうでもないのです。つまりや春はもの憂い季節なのです。そんなに元気でなくてもそこそこで大丈夫なのです。